父と娘のヨーロッパ貧乏スケッチ旅行記 29 パリ5日目 街を散策

1985年10月9日(水) 雨のち晴れ


宿を出るとき雨に濡れたが、しばらくして止む。

今日は展覧会を見るので、モンパルナス周辺を歩く。
観光案内所に行き、展覧会や個人の美術館とザッキンの展示館を教えてもらう。

モンバルナスの広場スケッチ

セーヌ川スケッチ
ポンヌフスケッチ

近代美術館では、近代絵画の走りの連中が一部屋毎にたくさん展示してあった。
ピカソ、マチス、ブラック、カンピーリ、デュフィなどの無名の頃の作品を数多く見た観た。

しかしカメラフラッシュが使えなかった。

その後ザッキンの住まいを展示館にしている美術館に行く。

週に一度、水曜にのみ開館という風変わりな会場で、館内は自分たち二人の他、監視の人だけたっだ。

ここでもカメラフラッシュは禁じられていた。

ゴッホとも友好があって、ゴッホが写生用具を肩に背負い、小脇にキャンパスを抱えて歩く姿の大きな彫像があった。

静かな部屋で、麻美も喜んでいた。

ザッキン美術館1

ザッキン美術館ゴッホ像

ザッキン美術館庭

夕方は散歩する。
いつも食事に通う通りを外れると、偶然にも個展通りに出くわした。

日本と異なり、どの会場も窓越しに観て回れる構造だ。

アメリカ絵画と異なってフランス人の仕事は色彩が柔らかいと感じた。

夜はポンピドウに行った。
表ではフランス中堅作家の展覧会が催されていて、裏に回ると講演会会場に出た。

一見シンポジウム的な雰囲気が感じられ、日本との相違を感じる。

一人は机に腰掛け、聴衆者は床に尻を降ろして聞いていた。

帰り、焼き栗を買って歩きながら食べた。美味かった。

【追記】
観光案内所では”ザッキン”の発音が通じないのか、フランス名が異なったのか難儀し、ようやく行き方を確認できた。

ザッキンの美術館は民家だった。

中には誰もいない。

私たち二人だけの展覧会みたいで開放感に包まれていった。

ゴッホの大きな彫像に感動し父と話し込んでいると、守衛がやってきて

「うるさい。しゃべってはいけない」と言う。

誰もいないのにね、等と父と話しているとまたやってきて、「シーッ」

午後は土産を買いに歩く。

サンジェルマンデプレ辺りを歩いただろうか。

父は出発前に友人知人から餞別をいただいていたので、メモを見ながら土産を見繕う。

何を買ったか記憶にないが、その中で印象に残っているのはアクセサリーショップ。1点物のペンダントを見つけた。父の友人と自分用に色違いで購入した。後に友人の方にはセンスがいいと大変喜ばれた。

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