父と娘のヨーロッパ貧乏スケッチ旅行記 28 パリ郊外古城巡り
1985年10月8日(火)晴れ
昨夜は明け方まで雨だった。今日はツアーバスで郊外を回ることになっている。
朝早く出る。昨夜の雨もすっかり上がっている。
気候がガラッと変わって寒い。革のジャンパーを着ている者が多く、これがパリの今の本陽気らしい。
バスは日本語ガイドが乗車しているので、日本人客が15人で、若者が多く、新婚も二組同乗していた。一人585フラン(17550円)の一日コースであった。
ロワール地方の城を3つ見る。

シャンボール城、シュノンソー城、アンボワーズ城の3つを城を回る。
ガイドに追い立て回されてゆっくりできない一日だった。
どれも古城と周囲の風景が素晴らしくマッチしていた。
帰りは夜の8時近い。





シャンポール城をデッサン


【追記】
前日に旅行代理店に行き、古城めぐりツアーを予約した。
父が肩をつついて「おい、見ろよ」と通りを指さす通りには、ショートカットでモンペ姿の日本人中年女性がいた。
ぱっと見、水前寺清子。
古城巡りツアーに参加すると、昨日の中年女性も同じバスだった。
このツアーは日本人ガイドが付くことになっているから、日本人が15人ほどいた。
水前寺清子風の他は新婚旅行カップル、美容室の研修旅行組(なぜか皆若いカップル)だった。美容師達は前日ドイツでウエラ工場見学をしてきたという。
バスのガイドはフランス語、英語、日本語の順でマイクが回るので、日本語ガイドの番が来る頃には肝心の観光名所は通り過ぎていて、仕方なくガイドは主にこの後の予定や注意事項をしゃべっていた。
昼食レストランでも日本人はレストラン一角の隅にまとめられ、給仕は常に最後。「なんだかなー」状態。
この置いてけぼり感の中で一人気を吐いたのは先の水前寺清子風。
日本人我々のテーブルには給仕はなかなか回ってこない。
もう少しパンが食べたいと言えないでいる日本人カップルの代わりに「パンのおかわり下さい」と日本人を代表して英語で注文した。
私がフランス語で注文しなくて良かったと思った。
城めぐりでは館内を皆と同行せず、バスを降りると父は庭園でスケッチしていた。
ガイドから「絵を描くなら、自分で車で回った方がいいよ」と言われた。